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ai yamaguchiの世界

都青少年健全育成条例の改正案がどうなるのか不安な外中也だよ。

まあそれはさておき。以前、感受性を養う目的で、アメリカに行った。そのときにこのアーティスト、ai yamaguchiこと山口藍さんの作品と出会う。

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最初、まさか日本人のアーティストさんとは思わなくて。「ai yamaguchi」という作家名もかの「小泉八雲」みたいな感じで、日本が好きすぎる人がわざと日本人っぽい名前にしているのだと思った。帰国後、山口さんの意図する世界について調べて、日本人だということを知って驚いたという(笑)

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山口さんのモチーフは着物姿の女の子や、成熟していない体の線をさらす裸の女の子。どの娘たちも、笑うことなく「私、あなたに媚は売らない」といった感じでこちらをじっと見つめている。カラーも陰影が少なく、まるでセル画のようでポップでスタイリッシュな印象も受ける。全てを含めてその構図が新鮮だった。

心にグッと来る。

他に気の利いた言い方が思いつかないけど、そんな感じ。山口さんの描く女の子たちはそれぞれ名前があって、何をしているかというと「とうげのおちゃや」なる場所で色を売っているという設定なのだそうだ。「とうげのおちゃや」は吉原からほど近い峠にひっそりと佇んでいるのだとか。そこにいるこの娘たちは非公認の遊女というわけだ。

江戸時代中期、実際こういう茶屋(岡場所なんて呼ばれたりもする)もあったそうで。江戸の吉原や京の島原、大坂の新町といった場所に買われなかった娘が売られてきたりしたのだろう。そう考えるとかなり重たくセクシャルな意味合いをもった作品なのだけど、下品だとかポルノだとかそういうことはあまり感じない。

むしろ「女の子」という枠を超えた存在。

……うまく言えないけど神がかっているというのか。犯しがたい神聖なものって感じさえする。一度、先生の作品が出展されている展覧会に行って見たい。

また、これは余談になるが、舞城王太郎先生の作品で、三島由紀夫賞を受賞した『阿修羅ガール』の文庫版のカバーに、山口さんの作品が使われている。

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イマドキの高校生、アイコの一人称で物語は進んでいく。彼女の言葉がちょっと毒気を含んでいるところや、セックス描写がナチュラルに展開されていくところが、どことなく「とうげのおちゃや」の女の子たちに通じるところがあるように感じた。

裸体やセックスといったモチーフであっても表現によっては美しく、魅力的なものになるんだということを知ったのはこのアーティストさんのお陰。新たな見識を身につけ、学びとなった。

外中也


=======以下、外さんの独り言========
それにしても、冒頭で書いた都青少年健全育成条例の改正案が可決された場合、こういったアートや小説の類も禁止になってしまうのかな……。そうじゃないといいなあ。

確かに近年、小学生でも読める少女漫画には未成年の性描写がやたら含まれている。レイプから始まる恋をテーマにした過激なものだってあるから、規制は必要だと思う。けれど「そういう漫画を売らなければならなくなった」業界側や「そういうものを求めている」消費者側の実態をじっくり調べていく必要があるはず。

また、「子供に悪影響を与える」という理由が改正案発端であるならば、そういったものが手に届かないような配慮をするのが本来の処置ではないかな。きっと諸外国から「日本はHENTAIの国だ!」と言われる現状を打開するための方法でもあるような気がする。

あとは、そういう描写を含む作品の中にも源氏物語のように幼子との性交渉を描いていても、文学として確立しているものがあるわけで。やみくもに「不健全だからダメ!」というのはちょっと違うのかな、って思う。関西では橋本知事も動くようなことを仰っているし、ともかく現状をきちんと把握して賛成、反対の意見を聞いて判断してほしいな。

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コメント


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No title

さすがお目が高い。山口藍さんはミヅマアートギャラリーといって、日本でも指折りにセンスのいいギャラリーの所属アーティストだよ。件の条例は藤本由香里さんを筆頭にいろんな人が動いてくれたおかげで、継続審議になったみたい。まぁ大丈夫なんじゃないのかな。でもいろんな人がそうして意見を発表していくというのが大事だと思うので、このエントリーを見て凄く嬉しかったです。ではでは。

樋口ヒロユキ | URL | 2010-03-22 (Mon) 05:27 [編集 ]


ご意見頂きまして

こういう問題に関する記事を、Webという簡単に書ける媒体にさらっと書いていいものかどうか、数日アタマを悩ませました。Webという海の片隅にあるブログとはいえ、見ている方が不快になるような書き方はしたくない。
いざ、記事を上げても、どんな風に思われているのだろう……とそわそわしておりました。だから「意見を発表していくことが大事」と言って頂くことができて嬉しいです。
ありがとうございました。

外中也 | URL | 2010-03-22 (Mon) 11:30 [編集 ]


 

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